アパレル製造販売企業にとって、生産・仕入れの計画をどんなにしっかり立てても、流行や気候、さらに2020年からのコロナ禍といった自社でコントロールできない要因により、滞留在庫・デッドストックが発生してしまう事態は避けられません。
セールでも売れない在庫商品は、もう廃棄する他ないのか…と頭を悩ませている企業・担当者はますます増えているのではないでしょうか。
そこで今回は、近年のアパレル商品の滞留在庫・デッドストックを取り巻く動き、そしてアパレルメーカー・商社が今後売れ残り処分のために取るべき施策を提案します。
アパレル滞留在庫・デッドストック処分のトレンドは?
まずは、ここ最近のアパレル業界における動向やニュースを紹介します。
アパレル業界の廃棄率の高さに厳しい目が向けられている
2018年、高級ブランドの「バーバリー」が、自社ブランド保護のために約41億円相当の衣料品やアクセサリー・香水など売れ残り商品を廃棄していたことが報じられ、環境団体などから批判が集まりました。
しかし、これはバーバリーだけの問題ではなく、売れ残った商品が安く市場に出回ることで自社の商品イメージが下がり、長期的には収益も下がることを懸念して、値下げせず廃棄することを選ぶメーカー・ブランドは世界中に数多く存在します。
もちろん日本も例外ではなく、近年では、日本で年間約29億着供給されるアパレル商品のうち、半分以上の15億着以上が廃棄に回っているといわれます。
そんなアパレル業界の廃棄率の高さが近年繰り返しTVや新聞・ネットで報道され、アパレルは環境に負荷が大きい産業として批判も集まっています。
「サスティナブルファッション」と「エシカルファッション」
現在、世界的なファッションの潮流として必ず登場するキーワードに、「サスティナブル」と「エシカル」があります。
20世紀には各国や企業が利益の最大化だけに力を入れたために、地球規模で環境破壊や経済格差が広がりました。
これを解消するために2015年の国連サミットで採択されたのが「SDGs(持続可能な開発目標)」。
17の目標のうち、アパレルの生産は「生態系の保護」「気候変動」「働き方」などさまざまな分野に関連しますが、なかでも12番の「つくる責任 つかう責任(持続可能な消費と生産のパターンを確保する)」について責任が大きいと考えられています。
これを受け、
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が生産者やブランドに求められるようになってきました。
https://blog.smasell.jp/archives/1958
フランスでは法律で「廃棄禁止」が成立
ファッション大国のフランスでは、2020年2月、環境連帯移行大臣付副大臣の立案により、アパレルの滞留在庫・デッドストックの廃棄を禁止する新たな法律が施行されました。
また今後フランスで販売されるアパレル商品には、環境や社会的問題への影響に関する情報が含まれるタグを付けることが義務づけられる予定だそうです。
「脱・廃棄」は収益・ブランディングともに有効
ここまでで、現在まだ不完全ではあるものの、世界的に「できるだけ売れ残りの服も廃棄しない」という大きな流れの中にあることはお分かりいただけたことと思います。
こういった世論の中では、アパレル商品を廃棄せず売り切ることは、収益面はもちろんのことブランディングにも有効に働きます。
店頭に出したプロパーの新商品が売れ残った場合の売り切りの手段には次のようなものがありますが、それぞれメリットとデメリットが存在します。
キャリー品として店頭で定価販売を継続
価格を下げずに販売すれば利益は確保できますが、トレンド性のある商品は売れない可能性が高く、店頭で新商品を並べるスペースを圧迫してしまうため、よほどベーシックで人気のあるアイテム以外は難しいでしょう。
セール価格で店頭販売する
定番の売り切り施策です。利益率は下がりますが、流行が去る前に売りさばける可能性が高まります。
アウトレットで販売する
多くの店舗が入るアウトレットモールでは集客が期待できますが、店舗の家賃や人件費などの費用はかさみます。
また、ある程度の品揃えがないと店舗に魅力がなくなるため、商品の確保に苦労したり、中にはアウトレット専用の商品を開発生産する企業も存在します。
得意客対象のファミリーセールで販売する
会員制・招待制のファミリーセールは、もともと自社ブランドに好感を持つ顧客が対象のため、売れる可能性が高くブランドを毀損するおそれもありません。
しかし、会場やスタッフなどの運営費用だけでなく、商品の入出庫等の物流費も別途大きくかかってくるため、経営に余裕がないときには実施しても採算が取れない可能性もあります。
オフプライスストアで販売する
最近、海外・国内とも、シーズンを過ぎてしまってからではなく、オンシーズンのアイテムを早めに価格を下げて売り切ってしまう「オフプライスストア」を運営するアパレル企業も出てきています。
ただ、実店舗での販売では立地や外出自粛などの影響で来店者数の数が大きく左右されるというデメリットは変わりません。
またオンシーズンの商品をオフプライスストアに回すためには、プロパーの商品を店頭から引き上げることになり、あえて今季商品を値下げ販売することへの疑問も残ります。
自社でオフプライスストアを運営するほどの規模と商品数がなければ難しい場合も多いでしょう。
買い取り業者へ販売する
売れ残りのアパレル商品を一括して買い取る現金問屋やバッタ屋さん等の業者へ販売すれば、在庫は減らすことができますが、利益は非常に少ないものとなります。
そして金額以上に問題なのが、同じ商業施設内で、同じブランドがより安く販売される可能性です。消費者のイメージダウンやブランド毀損につながるため、慎重に検討する必要があります。
上記のいずれにも当てはまらない場合、販売機会を探りつつ、自社で倉庫保管することになりますが、保管にもコストはかかり続けます。
廃棄のコストと比較した結果、不本意ながら廃棄を選ばざるを得ない…というメーカー・ブランドもあることでしょう。
廃棄する前に!ブランドを下げずに売り切る方法
では、廃棄する以外に、自社で大きな運営コストをかけず、かつブランドイメージを損なうおそれもないおすすめの方法はあるのでしょうか?
実は、「SMASELL(スマセル)」なら、それが可能になるかもしれません。
スマセルは、アパレルの滞留在庫を持っているサプライヤーと、製品を必要とする個人バイヤーをつなぐオンライン上での販売サイトです。
バイヤーはフリマアプリやBASE/STORES等のウェブストアで販売するような個人バイヤーが多く、少量で販売先が見つからなかった滞留在庫・デッドストックも売れやすいのが特徴です。
また、新品やショップから戻ってきた在庫のほか、古着・インテリア・コスメなども出品可能。
さらに、すでに著名な正規ブランドからも多数の出品がされており、ブランドイメージを損なう心配もありません。
2021年時点での数万単位の個人バイヤーと即取引が可能なので、出店後にすぐに在庫が数万点規模で売り切れてしまったり、毎月数百万円の安定的な売り上げが出ているケースも珍しくありません。
初期費用・固定費0円で、費用負担は成約後の取引手数料のみ。
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