インタビュー/企画

デザイナーマリエさんに聞く、ファッションを通して社会に伝えたいこととは?

(Photo by Kato Yuta)

今回は、モデル・タレント・アパレルブランド「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカル マリエ デマレ)」のデザイナーであるマリエさんにインタビュー。ファッションデザイナーを目指したきっかけから、デザインへのこだわり、困難を乗り越えた今ファンや社会に伝えたいことの数々まで、詳しくお話しをお伺いしました。

モデル・タレント活動を経てファッションデザイナーへ

(Photo by hajime kamiisaka)

元々、ファッションが好きで小学生の時からワンピースを作るなど、洋服作りには興味がありました。18歳の時、「大学に行くか、芸能界に行くか」と悩んだ末、芸能界に進みモデル・タレントとして活動していましたが、23歳の時、体調を崩したことをきっかけに、昔からの夢だったファッションデザイナーになりたいと改めて思うようになりました。
その後2011年にアメリカ・ニューヨークのパーソンズ美術大学に留学し、ファッションデザインを専攻。2017年には素材や生産過程にこだわったエシカルなアイテムを製造・販売する「PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ)」を立ち上げ、現在は自社のホームページ、受注会、POP UPショップ、卸しなどを中心に商品を販売しています。
私が留学するにあたって、周囲の方の仕事にも影響が出てしまうので当初は悩みましたが、現在はみなさんも応援してくれていて、この決断は自分のためにも良かったと思っています。

商品一つ一つへの強いこだわり

(Photo by Kato Yuta)

「勿体ない」から新たな商品を生み出す

今年PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ)は5年目を迎えたのですが、立ち上げ当初は「サスティナブル」という言葉をあまり知らなくて、聞いたことがある程度でした。
服作りを進めるにあたって、まずは生産現場を知るべきだと思い、ものづくりのテレビ番組を担当していた時から知っている工場の方や職人さんへ、全国を飛び回って会いに行きました。当時は立ち上げたてのブランドで金銭的にも余裕がなく、高級ブランドの生地を取り扱う工場に依頼することは難しい現状でした。しかし、ふと周囲を見渡してみると、そこには残反や傷があるだけで商品にならなかった端材がたくさんあったんです。それらを目の当たりにし、単純に「勿体ない」と感じるようになり、集めて雑貨にするなど、新たな価値を与えて商品にするようになりました。
噂が噂を呼んでといった感じで、人との出会いが商品になることも多々あります。例えば、ある時、「京都の亀岡市にリユース不可となったパラグライダーを集めてエコバッグにしているコミュニティーがあるよ」と声をかけていただき、現地まで訪れました。実は、パラグライダーは利用者の命を守るため、安全性の観点から一度使ったら再利用ができない決まりになっていて、廃棄されてしまうんです。実際にそこでリユースの帽子を一緒に作り、商品にしました。今季ですと、Vintage jumpsuit(繋ぎ)をリメイクしたロングジャケットコートを発表し、大変好評を頂いております。(画像参照)

このように、モノを大切にしていきたいと始めた活動の一つひとつが、今日までの出会いにつながってきました。
モデル・タレントとして活動していた時も、アパレルブランドメーカーとコラボレーションするなど、服作りをする機会がありましたが、選べる生地やデザインに制限もあり、好きなように作りきることができない歯がゆさを感じていました。そういった経験もあり、自分が想うモノづくりをするためには自分の力で立ち上げなければ何も始まらないと感じ、自らブランドを立ち上げました。このように不要だと思われているものが自分の手によって新たな商品として生まれ変わり、お客様にも喜んでもらえていることを大変嬉しく思っています。

全ての商品にメッセージを込めて

(Photo by Kato Yuta)

今までに何度か展示会をしている中で、例えばこっちはオーガニックコットンで、こっちは異なる素材を使用しているなど、予算上の都合で100%サスティナブルと提案できない商品も多くありました。
しかし前回の展示会から、「どの商品を手に取っても何かしら社会貢献や持続可能な社会へ向けてのアプローチができている」と言い切れるようになりました。
残反やB品の生地を使って製品を作るということは、仕上がる商品が全く同じ色味であるなどの均一性がどうしても低くなってしまいます。そうした背景から、立ち上げ当初は百貨店などの卸先に「お客様に売りにくい」と断られたこともありましたが、今では一つひとつ表情が異なる弊社の商品に対して愛着をもってくれるお客様やファンの方が少しずつ広がり、理解してくださる店舗も増えてきました。

今あるものも大切にしていきたい

(Photo by Tairiku)

今後は、新しいものを0から作るということに加え、「今あるものを生かす」ということも大切にしていきたいと思っています。
店舗の空間づくりにおいても、2021年下北沢relodeでの長期店舗ではSMASELL(スマセル)で購入した廃棄される予定だったテキスタイルをレイアウトデザインに採用※。店内の観葉植物も全てフラワーアーティストdaisuke shimuraによるリユースのドライフラワーで、プロップと重機を廃材もしくは捨てられるはずだったものを使って仕上げることができました。(画像参照)
また、最近では音楽フェスや企業様の制服などの提案も行っているのですが、そういったアイテムでもサスティナブルな取り組みができればと考えています。例えばアーティストグッズの場合、オーガニックコットンを使うだけでも勿論環境にはいいのですが、0からでなく、今あるトップスやバッグを生かしてリメイク品等を作ってもいいのではないかと考えています。従来のビジネス関係もあるので急には難しいですが、大量生産しているところにアプローチすることで少しでも「今あるものを生かす」という考え方が浸透し、変えられるところから変えていければ嬉しいですね。
※現在SMASELL(スマセル)では、テキスタイルの販売を停止しております。

困難を乗り越え、社会に想いを発信

(Photo by kato yuta)

実は23歳の時、1日30錠くらい薬を飲まないといけないほど身体がボロボロになっていたんです。そこから毎日自分の健康を取り戻そうと、無農薬の野菜やケミカルなものが使われていないオーガニックな化粧品を取り入れたりするようになって、何年かかけているうちに少しずつ健康になってきたんです。その後、こうした個人の小さな選択やアクションの積み重ねが、結果的に自分の健康だけでなく、地球の健康を守ることにも繋がっているということに気付きました。
現在はそういった自らの経験や培ってきたファッションの知識を生かし、ファッションデザインの他にも、WWD JAPANでサスティナブルファッションを切り口にした4コマ漫画(画像参照)を掲載してもらったり、「ファッションから見るサスティナブル」をテーマにコラムの執筆や講演会を行うなど、自分の考えや想いを発信する活動にも注力しています。
自分自身、10代の頃はそういったことがしっかりとできていなかったと後悔しているところもあるので、今後はファッションという好きなことを切り口に、自分が大人になってから得た知識や考え方、健やかな暮らしなどを発信していくことで、応援してくださっているファンのみなさんや社会に恩返しできれば嬉しいですね。
また同時に、日本では好きなことを仕事にするということが難しいように捉えられていますが、私は「好きだからこそ乗り越えられるし、続けられる」と信じています。私がファッションに出会ったように、こうした発信がみなさんが好きなことを見つけるきっかけになれば幸いです。

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■マリエ

CEO/デザイナー/アクティビスト/環境省森里川海アンバサダー

* 日本でのタレント活動を経て2011 年のアメリカ・ニューヨークのパーソンズ美術大学へのファッション専攻留学を契機に、2017 年 6 月、自身がデザイナーを務めるブランド「 PASCAL MARIE DESMARAIS(パスカルマリエデマレ)」 を設立。ファッションの観点から環境問題に積極的に取り組み、工場や職人など生産者の声に耳を傾けるため全国を飛び回る。

*数々の循環型社会に向けた取り組みの講演・イベント・フェスプロデュースを担当。

* ファッション新聞WWD JAPANサスティナブルアートコミック・コラムを連載中。地球の環境負荷ランキング世界第2位と言われるファッション産業からみる様々な” 気付き” をキャラクターたちがシニカルに提示・警鐘を鳴らしてアートコミックとサスティナブルファッションについてのコラムを毎週WWDJAPAN にて連載中。

(Photo by Kato Yuta )

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