インタビュー

「アーバンリサーチが運営するTHE GOODLAND MARKET 様×ウィファブリック代表 福屋」対談 アップサイクルプロジェクトへの想いを語る

ファッションとカルチャーの街・大阪南堀江で、循環型のファッションライフスタイルを提案し、エシカルな雑貨やアパレルが3つのフロアに並ぶTHE GOODLAND MARKET。2022年2月にアーバンリサーチ堀江店から生まれ変わって以来、人にも環境にも優しくストーリーのある独自の商品セレクトが多くのお客様の支持を集めています。
2022年には、ミュージシャン大沢伸一さん、PrintDesigner Minamiさん、ウィファブリックの三者によるアップサイクルブランド『≒heart core remedy』のアイテムが店頭に並び、そのコンセプトにも共感をいただいてきました。

(関連記事)
アップサイクルプロジェクト「≒heart core remedy」の始動
https://blog.smasell.jp/archives/9680

そのTHE GOODLAND MARKET(以下TGM)では、スマセルのデッドストックにプリントを施してアップサイクルしたオリジナル商品を企画し、2023年3月より販売開始しました。
今回は、TGM企画担当者の下間様と弊社代表の福屋が対談。どのような点からスマセルをパートナーに選んだのか、今回のアップサイクル商品へのこだわりやブランドとしての思い、アパレル業界が立ち向かうべき課題、今後の展望などについて熱く語り合いました。

アップサイクルの構想を形に

福屋:
今回の弊社とのコラボレーションは、昨年『≒heart core remedy』(以下HCR)を取り扱っていただいたことがきっかけだったのでしょうか?

下間様:
いえ、実はブランド立ち上げ時から、現在HCRで行っているようなボディ(アパレル在庫品)をアップサイクルしたプロダクトを作っていきたいという思いがありまして。HCRを展開させていただいたのもその一環というイメージで、構想そのものは一番最初からあったんです。

福屋:
スマセルについても以前からご存知だったんですか?

下間様:
はい、知っていました。コーヒーショップなどでアパレルウェアや雑貨が展開されているようにお客様にとっても手に取りやすい価格帯であり、アイコニックなグッズ感覚のラインナップを企画したいと考えておりましたが、新しいボディを使用してプリントして、大量に作ってっという形がブランドの理念には添わないと感じており、、、
新品を仕入れて大量生産の象徴のようなプロダクトは作りたくなかったんですね。そこで何か課題解決にも繋げられるよう廃棄されるようなもの、価値が失われつつあるものを活用したいというアイデアに行きつき、「スマセルさんならできるのでは…!?」となりました。
他社様の在庫まで幅広くチェックし仕入れるというのは、さまざまなハードルがあり、その中間的役割で企業と企業の橋渡し役にもなれるような存在がスマセルさんだったんです。

福屋:
たしかに、どこも「プロパーで買って欲しい」という意向がまだまだ強いですね。機会の損失でもったいない話ですが、スマセルがあいだに入ることで、構想を形にするお手伝いができればありがたいです。

自分たちらしい「雑貨のようなアパレル」を

福屋:
アップサイクルの商品化にあたって、コンセプトはどのように決めていかれたのですか?

下間様:
TGMは3フロアに分かれていて、1階は雑貨がメインで上にいくほどアパレル色が強くなっています。ただ、雑貨・アパレルを区切ってしまうのではなく、日用品からふだん身に着けるものを商品構成に組み込んで、消費者に新しいライフスタイルを提案しています。今回も「雑貨と洋服をつなぐアパレル」というコンセプトで企画を進めました。

福屋:
アーバンリサーチさんはもともと雑貨比率が高いというか、バランスが上手ですよね。これまでTGMのお店では、こだわりの雑貨やアパレルを世界中から仕入れていたと思うのですが、今回自社でプロダクトを作ろうと思ったのは、何かきっかけがあったんでしょうか。

下間様:
オリジナルの商品構成を高めていきたいというのはもともと2~3年計画ぐらいの構想としてはずっとあったので、自分たちのオリジナリティやアイデンティティを伝えていくプロダクトっていうのは、やはりオリジナルの商品でありたいと考えています。
とはいえ、いきなり他のアパレルブランドのように年間何百型のデザインを上げて、アパレルだけでバサっと構成して…みたいな展開ではなく、あくまでも自分たちらしいところから少しずつ広げていけるコンテンツを考え、ウェアだけに特化しないアイデアを考えていきたいです。

福屋:
具体的に「アパレルブランドっぽくなりすぎない」ポイントやこだわりってどんなものがありますか?

下間様:
うーん、言葉にすると難しいですね(笑)。
アイテム自体はTシャツ・ロンT・フーディ・スウェットにキャップという定番アイテムで構成していますが、空気感でいうと、最近ってコーヒーショップやお花屋さんでも雑貨を売っていたりするじゃないですか。
そのコーヒー屋さんが好きだからマグカップを買うとか、美術館でミュージアムグッズを買うとか、なにか心が動いたときにそこの商品を手に取って帰りたくなる……価格も含め、そんな商品を作りたいという部分にはこだわりました。

人と人とのつながりを伝えるデザイン

福屋:
プロダクトデザインで特に力を入れた点や時間をかけた点はどこですか?

下間様:
企画自体はポンポンと決まったのですが、プリントするイラストにはかなりの時間をかけましたね。売上だけを考えればそこまでイラストにこだわる必要はないのですが、人と人とのつながりをどう商品と結び付けていくか、どう消費者に伝えていくか…というストーリーを伝えるブランドでもあると思っているので。
有名なイラストレーターさんの力で売るのではなく、私の知人ですごく素敵な絵を描くユキナというイラストレーターにぜひ描いてほしいと依頼し、TGMでしか手に入らないデザインで、シンプルな中でいかに自分たちらしくするかというところを一緒に考えてデザインを決めていきました。

福屋:
このロンTも面白いですね。山があって、犬がいて、レコードとコーヒーがあって、川があって…世界観はどんなものなんでしょうか。

下間様:
「THE GOODLAND MARKET」のブランド名を表現しています。今までの社会は”サステナブル”や”エシカル”といった価値観・倫理観が弱かったと思うのですが、そこから「グッドランド」という島を抜き出して、そこには新しい価値観やより良い地球・未来のためのモノやヒトが集まっている…そんな島をみんなで目指していこうよという。いわば「新大陸開拓」みたいなイメージです。

福屋:
おお!素晴らしいですね。

下間様:
そして同時に、単に環境に配慮しているだけではなく「着る人のライフスタイルが居心地良いか」というところがすごく大事だと思っています。
TGMでは定期的にコーヒーショップやお花屋さんに出店してもらっているのですが、モノの消費だけじゃなく、そういうホッとする時間やスペースを提供・提案するというのはTGMのコンセプトと通じるところがあると感じています。イラストレーターの彼女もそれを感じ取って、カフェっぽい要素を取り入れてくれたんだと思います。

スマセルと作る、プロジェクトベースのプロダクト

福屋:
今後の展開や企画などがあれば教えて下さい。

下間様:
この春夏からは、これまでお取り扱いしてきたブランドとコラボレーションしたり共同で商品開発する機会が増えていきます。オリジナルアイテムの企画も少しずつ進めています。

福屋:
スマセルと新しく取り組んでみたいなということはありますか?

下間様:
現在、スマセルさんのアイテムのごくごく一部でまずスタートさせていただいたところなので、今後、もっとこんなのができるかも?というアイデアを膨らませながら「あ、その手があったか!」みたいなプロダクトを、いろいろお話しながら発見していけたらとすごく思っています。

福屋:
ありがとうございます。いま僕らが取り組んでいるプロジェクトを一部ご紹介しますと、2022年冬に、バングラディッシュの縫製工場で、暖冬の影響で大手欧米系のアパレルから何千億円ものキャンセルが出たんです。現地の工場は倒産、雇用が失われ、デッドストックだけが残って焼却処分される予定になったんですね。それをなんとか救いたいとプロジェクトを立ち上げまして、第1弾がすでに進行しています。
そして、こういうプロジェクトを数珠つなぎにやっていきたいんですよ。アップサイクルを1つのコンテンツとしてずっと永続させていきたいなっていう想いがあって、御社ともぜひ第2弾としてバングラデシュなのかインドなのかはわからないですけど、取り組めたら良いのではと思っています。

ゆくゆくはアップサイクルプロジェクトのカテゴリページを作って、「こういう内容ならぜひ参画したい」という反応がもらえるようになれば、僕らとしてもそこがゴールなんですね。オフプライス感といった切り口ではなく、アップサイクルプロジェクトという軸の中で取り上げさせてもらったほうが、TGM様にとってもしっくり来るのかもしれない。

下間様:
はい、そういうプロジェクトベースのプロダクト作りはすごく良いなと最近ますます思っています。
例えば今店舗で取り扱っている「PARKS PROJECT」は国立公園を皮切りとした自然保護のためにアクションを起こし、「そのためのアイテムを作ろう」というプロダクト作りをしていますし、先日お店でイベントを開催した「KMT3653」というホールガーメントニットのブランドとは、売上の一部をトルコの震災に寄付しようと事前に打ち合わせました。
スマセルさんともそういう方向でコラボレーションできるといいかもしれないですね。

福屋:
そうですね、ぜひ継続的に取り組みをさせていただければ!

 

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