インタビュー

第二章 存在そのものがサスティナブルなエコージャパンの靴づくり

今回は、前回に引き続きデンマーク発祥のシューズブランド ECCO(エコー)様へのインタビュー第二章として、サスティナブルを追求した靴づくりから、これからのビジョンについてまで幅広くお伺いしました。

環境負担を最小限に抑えた独自の生産技術や、再生エネルギーでの工場運営、今後の具体的な環境目標など、サスティナビリティへの意識が高いデンマークの企業ならではの取り組みの数々を詳しくお伺いすることができました。ぜひご覧になってください。

創業当時から地球環境に配慮

ECCO(エコー)では、創業当時から地球環境にはずっと配慮してきました履き心地を追求すると同時に、サスティナブルなものづくりを一貫して行えることから、シューメーカーとしてはめずらしく、レザーの製造まで行っている数少ない企業です。

そうしたものづくりの姿勢を評価され、レザーワーキンググループ(LWG)※から何年もゴールドレートを授賞しています。

※皮革産業において持続可能で環境を配慮したビジネスを推進することを目的とする国際団体。世界中の皮革製造工場を共通の環境認定基準によって評価しています。

サスティナブルを追求した靴づくり

レザーはサスティナブルな素材

人は昔から肉を食べたり、牛乳を飲んだり、消費するために動物を育ててきました。最近では、ヴィーガン(完全菜食主義者)の方も増えましたが、肉の消費はこれからも続いていくと考えられます。

その動物の一部である皮は非常に丈夫な素材ゆえに、焼却処理や埋め立て処理をしてしまうとレザー製造の23倍ものCO2を排出してしまいます。ですので、生皮をレザーにして布のように使用するというのは、実はサスティナブルな行動であり、レザーは紀元前500年頃から人間が使用してきたサスティナブルな素材ということなのです。

ECCO(エコー)レザーができるまで

弊社では、ケアすることでその質感を長く保つことができる天然皮革のみを使用しています。

自社工場にてまず原皮を腐りにくい状態に組織構造を変化させる「なめし」という工程を行い、その後、摩擦や損傷から保護するための処理をし、最後に使用される製品のデザインを考慮しながら見た目や質感を更に高めていくという流れでレザーを生産しています。

水の使用量を削減する技術DriTan™️(ドライタン)

一般的にレザーの生産は、この「なめし」の過程で大量に水を消費するため、環境負担が高いと問題視されてきました。

一方、ECCO(エコー)では、DriTan™️(ドライタン)という新たな水を使用せず革が持つ水分だけでなめすテクノロジーを開発。なめすための化学薬品も生分解性のものを使用しています。

これにより、1枚あたり約20リットルもの水を節約することが可能。年間では、約2,500万リットルの削減となり、これは9,000人の年間あたりの必要水分量に匹敵します。

DriTan™(ドライタン)はECCO(エコー)が独自に開発した技術ですが、私たちはこの技術を他の企業とも共有することで、環境によりよい影響を及ぼしたいと考えます。すでに数社のレザー業者と、オペレーションの調整段階に入っているところです。

そして、嬉しいことにこの取り組みは2018年日本で開催された世界水会議※でも紹介いただきました。

※フランスに本部を置き、グローバル規模で水問題に対処することを目的として設立された民間シンクタンク。

笑顔溢れる就業環境を実現

またレザーを生産する一部の地域は、労働環境や薬品使用による健康被害についても問題視されているんです。そういったマイナスのイメージがある生産背景からレザー購入に対して、反対的な意見もあります。

一方、ECCO(エコー)のレザーづくりは、就業環境は働く方目線で整えていますし、一切有害な物質を出しておりません。工場で働く方々も、みなさん安心して笑顔でいきいきと働いているんです。

全て再生エネルギーで運営

アップル社では、今後新たに出す製品については再生エネルギーで生産されたもの以外を使わないようにしていくという方針を発表しています。

サプライヤーの一社である弊社は、iPhoneケースなどのレザーアクセサリーを中国にある工場にて生産しています。

その建物の上には太陽光発電パネルを設置していて、ものを作る上で必要となるエネルギーも全て再生エネルギーで工場が運営できているんです。

再生可能な全てのものに着目

さらに、革から出る廃棄物も極限まで減らしており、再生可能なものに関しては再生するように努めています。

例えば、最初に届いた皮にはもちろん微量の肉片や体毛、組織内部にはコラーゲン層がある動物の毛が付いているのですが、それも廃棄せず、肉片はバイオマスガスへ変換し燃料に、コラーゲンは抽出し医療分野へ、体毛は靴の部品などの新素材へと再利用できるようになりました。また、レザーを裁断して残った破片も糸にして紡績業界へ。今後さらに研究を重ね、商用化される予定です。

購入後のケアまでご提案

ECCO(エコー)では、利便性・耐久性に優れたものを長く使って頂くことができてこそサスティナブルだと考え、人体にもシューズにも優しいCLEAN・CARE・PROTECTの3ステップで完結するシューケア・プログラムもご用意しています。レザーだって生き物なので、定期的にケアをすることで、5年、10年とより長くお使いいただけるのです。

最先端を走るECCO(エコー)のこれから

このように、製造する工程だけでなくその作業に必要となるエネルギーや、普通だったら廃棄してしまうような肉片や体毛まで、環境への負荷を軽減できる仕組みをどんどん新しく取り入れています。

しかし、これらだけで終わりではなく、今後さらに多くのことを行う必要があると考えています。

全体的な目標としては、従来の靴よりも少ない汚染排出量で新しい靴を生産するよう徹底することです。

具体的な環境目標としては、2024年までにECCO(エコー)本社自体をエネルギーニュートラルにし、2026年までに廃棄物の回収率を90%まで上げ、廃棄を極力おこさない企業を目指そうと考えています。

また2028年までに化石燃料から発生するエネルギーへの依存度を下げエネルギーニュートラルに、2030年までにバイオベース、リサイクル、もしくは再生可能な化学物質のみ使用することを目標に掲げています。

これからも、このような様々な取り組みを通し、環境負担を最小限に抑えながら、究極の履き心地をお客さまにお届けしていきたいと思います。

 

 

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