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アパレル業界の抱える在庫の大量廃棄問題の現状と改善策

アパレル業界の抱える在庫の大量廃棄問題の現状と改善策

現代のアパレル業界は「在庫の大量廃棄」という問題を抱えていることはご存知でしょうか。この問題の根本は、膨大な余剰在庫によるものです。

今回は、何故アパレル業界でいま「在庫の大量廃棄」が問題になっているのか、あらためてまとめてみました。この現状について知らなかったというアパレル業界の方は、ぜひ最後までお読みください。

現状におけるアパレル業界の在庫廃棄

大量生産・大量消費社会となって久しい日本は、中国やベトナムをはじめとした海外の工場で、安く、大量の衣服を作り、その衣服は短期サイクルで消費されています。

海外の工場でつくられた服を誰かが購入して、ファッションアイテムとして1度でも活用してもらえればまだ良いほうで、つくられ新品の衣服が、アウトレット店にも行かずに、そのまま焼却処分されることもあります。

現代のアパレル業界には、大量生産、大量消費だけでなく「大量廃棄」という問題も抱えているのです。どのくらいの量が廃棄されているのか、日本だけでもおよそ年間100万トンを超えるそうです。

100万トンがどれくらいの量か、衣服以外で例えてみますと、

  • 東京タワー250本分(東京タワー1本あたり4,000トン)
  • タイタニック号20隻分(タイタニック号は約5万トン)
  • 大根の国内収穫量(2017年の日本の大根収穫量は約132万トン)

と、これだけの重さの衣服が、毎年廃棄されてしまうわけです。

 

続いて、余剰在庫の点数がどうなっているのかを見てみましょう。

どのくらいの余剰在庫が日本にあるのか、2017年時点では14億点あったという数値があります。日本の国民全員へ1点ずつ衣服を配ったとしても、1億点ほど余る量となります。生産された数と余剰在庫の数の比率はどうでしょう。国内で生産された衣服の点数は、28億点だそうです。

つまり、28億点つくって、その半分が、余ってしまっているということなのです。

アパレル業界の現状として、「大量につくっても半分は余り」、「100万トンもの衣服が1年で廃棄された」わけです。これは、不経済なだけでなく、サステナビリティ(持続可能性)やCSR(企業の社会的責任)の観点からも大きな問題です。そのため、アパレル業界は、未来へ向かうために、この課題を解決しなければならないのです。

アパレル業界で在庫廃棄の問題が起こる理由

何故ここまで、廃棄量や余剰在庫が膨大になってしまうのでしょうか。こういった問題を引き起こす理由の1つとして、「ファストファッション」という業態のあり方に課題があるのかもしれません。

ファストファッションとは「消費者のニーズを満たすため、リサーチに基づいて新たな衣服を短い期間で大量に生産して、販売する」というアパレル経営のスタイルです。

ファストファッションというアパレル経営の手法で成長した企業が2000年代から台頭してきたことで、安い衣服の販売が増加しましたが、ファストファッションな販売と生産手法をとると、衣服の単価を抑えるために、大量に生産する必要が出てくるのです。

大量生産には、コストが下がるというメリットがあると同時に、その物品の生産数が膨大になってしまうという点があり、それがデメリットになってしまっているのが現状です。生産数が尋常ではない数になれば、そうとう人気の出た商品でもない限り、どうしても売れ残ってしまい、余剰在庫が出てしまうわけです。

とはいえ、在庫自体が悪、ということではないのかもしれません。在庫がある程度はないと欠品を起こしてしまい、消費者が手にする機会を失ってしまい、それが積み重なると企業経営が傾いてしまいます。ですが、あまりにも多い在庫は倉庫を圧迫し、最終的には在庫を廃棄せざる負えなくなります。

このように、ファストファッションは、1点あたりのコストが下がったメリットを生み出したものの、業界として大量の在庫を抱えることを常態化してしまった、ともいえます。

ただ、余剰在庫ができてしまう理由は、ファストファッションという業態をとっているからだけではありません。余剰在庫ができてしまう理由として、「アパレル業界ではトレンドの先取りをしなければならない」こともあります。どういった服が半年後、1年後に流行るのかを予測し、その予想を基に、ブームが起こる前に生産をしておかなければならないというわけです。

「今、この衣服が流行っているから生産してくれ」とするには、工場に負荷を押し付けることになりますし、そもそもアクションが後手になっていることから、あらかじめ流行を読んでいた競合他社に負けてしまいます。そうした状況を防ぐためにも、どんなものが流行するのか、需要はどのくらいかを予測し、需要にマッチするであろう量を生産する、とビジネスサイドが考えるのはやむを得ないのかも知れません。

「余剰在庫を抱えないためには、需要の量と全く同じだけの量を生産すればよい」と思うかもしれません。確かに、理論上ではその通りです。売れるであろう量とぴったり同じだけ生産をすれば、余剰在庫も廃棄品も出ません。

生産技術のさらなる向上や企業のマーケティング努力、流通の仕組みの変革など、さまざまな要因で実現可能な未来なのかもしれませんが、現状では、業界全体としては非常に困難な世界です。

アパレル在庫の廃棄を減らす方法

アパレル在庫の大量廃棄は、素材を無駄にするというだけでなく、廃棄品を焼却した後に残るゴミ問題もあります。また、生産や処分する際に二酸化炭素が出てしまい、地球へ負荷をかけてしまっています。企業として利益を得るためだけでなく、地球温暖化を進めないためにも、在庫の廃棄問題は重要なのです。

では、どういったことを行えば廃棄量を抑えられるのでしょうか?

トレンドの予測には、IT技術の中でも非常にホットな分野である人工知能(AI)を用いることが有効かも知れません。人工知能による予測は、様々な分野で行われていて、アパレルも例外ではありません。人間の力だけでは限界のあったトレンド予測を、優秀な人工知能に手伝ってもらえば、より的確に流行を予測できるようになります。予測が今より正確になれば、無駄な生産が抑えられ、おのずと廃棄する量も減ることでしょう。

また、以前にも書きましたが、IT技術は在庫管理の面でも活躍してくれます。アナログな管理をしていた状態には難しかった様々なことを、システムが手助けしてくれます。

在庫管理の改善が何故、廃棄の量を減らすことになるのか?それは、多店舗展開している企業の場合、在庫を店舗同士で融通しやすくなるからです。店舗ごとの在庫がきちんと把握できるようになれば、「あそこの店はこれが少ないから、余っている店から持ってこさせよう」ということが可能になります。こういった風に在庫の融通が行えるようになれば、店舗ごとの余りが出にくくなるうえに、欠品による利益損失を抑えられます。

廃棄する量を減らす方法は、他にもあります。その中でも今注目されているのは、「余剰在庫を引き取って再販するサービス」を利用する選択肢で、弊社が事業展開するスマセルももちろんこの一つです。

再販サービスを利用すれば、衣服を焼却処分せずに余剰在庫を減らすことが可能です。ただ、ディスカウントしての再販売がブランドのイメージダウンにつながると思われがちです。「ブランドのイメージを損なうくらいなら焼却処分をしよう」と考える方、すこしお待ちください。

昨今の再販サービスでは、ブランドの名前がついているタグをそのサービスのものと取りかえてから流通に乗せる「リネーム」対応や、タグを取り除いて流通させる「タグカット」対応をしています。これであれば、元々どのブランドの服だったのかが分からなくなるため、ブランドのイメージを保ったまま、再販できます。

再販サービスは、焼却処分するより地球に優しく、ある程度の対価を得ることができます。再販をすることに抵抗があった人も、先ほど紹介したような対応があれば、問題なく使えます。

 

大量生産、大量消費という体制の裏側にある、大量廃棄という問題を改善したいアパレルブランドさんには、ぜひスマセルをご活用いただきたいです。

No More Waste!

CTA-IMAGE 年間 8000 万トンの繊維製品が廃棄処分されている事実を知り、企業の抱える在庫を廃棄ではなくグローバルにシェアすることで、人類の未来のために持続可能な循環型社会を創造したい。そんな想いから、「在庫を必要とする企業」と「処分したい企業」のマッチングプラットフォームとして、スマセルは誕生しました。

●「ガイアの夜明け」「ルソンの壺」で放映
● 2018年日経優秀製品・サービス賞 優秀賞日経産業新聞賞
● 循環型社会形成推進功労者環境大臣表彰受賞

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